土用の丑の日うなぎの日?

千葉県浦安市で鍼灸院をしているTENGEN院長です。

今年も連日の猛暑で夏バテになっていたり、体調を崩す方も多くなってきました。

2018年は、7月20日が土用の丑の日になります。

土用の丑の日にうなぎを食べて、夏を乗り切りたいですね!

でも、「何で土用の丑の日にうなぎを食べるの?」

て言うか、「土用って何なの?」

そんな疑問を調べてみました。

2017年投稿記事を2018年の日時にリライトしています。

そもそも土用って何?

土用と聞くと「土用の丑の日」を思い浮かべ、ウナギを食べる日と連想される方が多いのではないでしょうか?

では、そもそも土用って何なのでしょうか?調べてみました。

土用とは、土旺用事(どおうようじ)の略になります。

そして、土用といえば夏を思い浮かべる人が多いと思いますが、実は各季節にあります。

東洋思想の考え方で五行説というのがあります。

五行説では、森羅万象全ての万物を五行(木・火・土・金・水)から成り立っていると考えます。

季節を五行で表すと

(注)文献の中には、土=長夏になっているもあります。

昔の人も夏の土用を重視していたのだと思います。

方角を五行で表すと

季節の中で、春から夏・夏から秋・秋から冬・冬から春になる季節の変わり目になる真ん中(中央)は変調が激しい事になります。

暦では立春・立夏・立秋・立冬の前、約18日間になります。

春・夏・秋・冬にそれぞれ土用があるので、春土用・夏土用・秋土用・冬土用と呼ばれます。

2018年の各季節の土用は

冬土用:1月17日~2月3日

春土用:4月17日~5月4日

夏土用:7月20日~8月6日

冬土用:10月20日~11月6日

になります。

最初の日を「土用入り」最後の日を「土用明け」といいます。

夏土用の期間は暑中(しょちゅう)ともいわれますので、暑中見舞いを出す時期でもあります。ちなみに立秋を過ぎると残暑見舞いになります。

土用の時期が、冬至から春分・春分から夏至・夏至から秋分・秋分から冬至の中央になります。

夏土用に行う事。

土用の虫干し・土用干し

この時期に、カビや虫の害から守るために衣類や書物に陰干しすることを土用の虫干しといいます。

稲作の作業にも、夏土用に行う事があります。田んぼの水抜きです。田んぼの水を抜いて土をカラカラにします。

これは強い稲を育てるために行う事で、雑菌の抑制にもなり、地中の水分をよく吸うようになるので根がしっかりと張るそうです。

梅干を作るときに、6月頃に収穫した梅の実を塩漬けにして3日位天日干ししますが、これが土用干しといわれるそうです。

土用にしてはいけない事

土を掘る

MichaelGaida / Pixabay

土を犯してはいけない(土をほりおこしてはいけない)

五行で土用は【土】になります。なので、土用の期間は、土を司る土公神(どくしん・どくじん)という神様が支配するといわれています。したがって、土を動かしてはいけないとされてきているそうです。今でも、家などを建築する時、土を掘り起こしたりする基礎工事などは土用の期間を外す人も多いみたいです。

ですが、土用の期間にまったく作業できないのは困ってしまいます。

なので、土公神が天上に行き、地上にいなくなる「間日(まび)」が設けられているそうで、この日は作業をしてもいいとされているそうです。十二支の日に決められているそうです。

冬土用の間日:寅・卯・巳の日
※2018年は1月22日・23日・25日・2月3日
春土用の間日:巳・午・酉の日
※2018年は4月19日・20日・23日・5月1日・2日

夏土用の間日:卯・辰・申の日
※2018年は7月22日・23日・27日・8月3日・4日
秋土用の間日:未・酉・亥の日
※2018年は10月20日・22日・30日・11月1日・3日

土用の丑の日

土用は約18日間あるのですが、なぜ、土用の丑の日が重視されのでしょうか?

夏土用の時期は一年の中で最も暑い季節なので、土用の丑の日にはいろいろな暑さを乗り切る行事が行われているそうです。

ではなぜ、土用の丑の日かといえば、十二支では丑が最初の【土】であり、五行説では、牛が五畜の中の【土】を代表しているからと考えられているそうです。この日には牛を水浴させて休ませ、人は丑湯(柿の葉などの薬草を入れたお風呂)と称して入浴し、土用のお灸をすえ、丑の”う”にちなんで、うなぎやうり、梅干しを食べ、土用しじみや土用餅を食べ、夏バテや病気の回復をしていました。

十二支 

(注)この配当は子を北、午を南とする方位配当がもとになっており、

それに土王説が加わったものである。

(注)五畜とは五蔵を養う家畜で、文献では諸説ある。

肺(金)を馬とするものなど、様々ある。

中国の最古の医書といわれている『黄帝内経素問』には、牛は五行の【土】を代表し、その肉は脾胃を補うものとされているが、日本では仏教の影響から、一般に食用にされてなかった。

そのため、うしの”う”の字のついたものが食べられていたそうです。

土用は約18日間あるので、年によってはこの期間に丑の日が2回訪れることがあります。

この2回目の丑の日を「二の丑」といいます。

2018年の夏土用の丑の日は7月20日、二の丑は8月1日になります。

なぜウナギが主流に?

うなぎのイメージ図

Windwhisper / Pixabay

先程も書きましたが、丑の日は牛の”う”にちなんで、うの字がつくものを食べていました。

なので、ウリでも梅干しでもうどんでも、”う”のつくものならなんでもよかったのです。

ではなぜ、うなぎが主流になったのでしょうか?

土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのは、江戸時代の万能学者であり、発明家でもある平賀源内が発案したものだったそうです。

元々うなぎは、冬が旬なので夏場は全然売れなかったそうです。

平賀源内の知り合いのうなぎ屋さんが夏にうなぎが売れないと相談したところ、

店の前に「土用の丑の日、うなぎの日」という貼り紙をしたそうです。

これが大当たりして、土用の丑の日にうなぎを食べる風習となったそうです。

元々うなぎは栄養が豊富なので、夏バテなどの疲労回復には効果的だったのでしょうね!

まとめ

簡単ではありますが、土用の丑の日について書いてみました。

土用の丑の日にはちゃんと意味があり、先人たちの知恵と知識が受け継がれていることに感銘を受けました。

特に自分は鍼灸師なので、受け継いでもらいたいのは土用の灸です。

現代人は、冷房にあたりすぎていたり、冷たいものを食べ過ぎたり・飲み過ぎたりすることが多いので、昔の人よりも体が冷えている傾向にあると思います。

お灸をすることで、体に熱を起こさせて、

夏バテや病気に負けない体作りをしていきましょう!

jill111 / Pixabay

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